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【パンチャカルマリトリート3週間体験記】前処置(後編)『心と体を整える』

インドのモンスーンの中、深い浄化と再生を求めて…

ケララ でのパンチャカルマリトリート体験


グルガオンに戻ってからというもの、時間の流れがあまりにも早く感じられ、気づけば前回の記事からもう1ヶ月近くが経っていました…。


今回は、パンチャカルマDay3以降の過程について、さらに深まっていく日々の準備と共に綴っていきたいと思います。



Day1〜Day5:前処置としてのトリートメント


パンチャカルマでは、いきなり本格的なデトックス施術に入るわけではなく、

「プールヴァカルマ(前処置)」と呼ばれる準備期間が設けられています。


この期間は、体内に蓄積したアーマ(未消化物や毒素)を柔らかくし、

体外に排出しやすくするための大切なプロセスとされています。


ギーを摂取するほか、毎日同じ内容のトリートメントが繰り返し行われます。

前回もご紹介した「アビヤンガ(オイルトリートメント)」もそのひとつ。

全身にたっぷりとオイルを擦り込んだ後、発汗を促す施術と組み合わせることで、相乗効果が期待されます。



『ナバラキリ』


今回のプログラムの中には、「ナバラキリ」という、ケララ州特有の伝統的な施術も含まれていました。

これは、「ナバラ米」と呼ばれる薬効のある赤米を使用したトリートメントです。


牛乳と薬草煎液でナバラ米をじっくりと煮込み、それを布に包んで“キリ(ハーブボール)”に仕立てます。

この仕込みだけでも丸一日がかりの作業…!


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施術では、そのキリを温めたミルクと薬草液に浸しながら、身体に優しく叩いたり押し当てたり。

体の深部までじんわりと染み渡るような感覚とともに、滋養が与えられていきます。


温かいハーブミルクの香りに包まれながら、やさしくたたかれるリズムが心地よく、トリートメント後はしっとり潤い、筋肉がゆるむ感覚が味わえます。



続いての施術は『ピリチリ』

(※写真は撮れませんでした)


これは、温めたオイルを絶え間なく全身に流し続けるという、とても贅沢で癒し効果の高いトリートメント。

アーユルヴェーダの中でも「オイルトリートメントの王様」とも称される、特別な施術法です。


身体全体に温かい薬用オイルをたっぷりと流しかけながら行うこのトリートメントは、

オイル浴+全身マッサージの融合とも言えるようなもので、まさにアーユルヴェーダの真髄を感じさせてくれます。


オイルが肌を通して全身に、そして脳にまで染み渡るような感覚。

それはまるで「オイルの抱擁」に包まれているかのような、至福のひとときです。

施術後は、頭の中までもがゆるやかに整っていくのを感じました。




そして『ジャヌバスティ』


こちらは膝に特化した局所オイルトリートメントです。


まずは、温かいオイルを溜めるための“土手”を、セラピストたちが生地を手でこねて作ります。

ドーナツ状に成形された生地を膝の周囲に設置し、その中にハーブオイルを注ぎ、一定時間温めていきます。


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薬草オイルの温かさが膝にじんわりと染み込み、

そこから関節、さらに全身の筋肉までもがゆるんでいくのを感じます。


私の場合、インドの家の床は大理石のため、ヨガの練習中に膝を痛めやすいことがあります。

また、先日の一時帰国の際にトレッキングをした際にも、膝に少し負担がかかってしまいました。


そのことをDr.に伝えたところ、今回のプログラムの中にこの「ジャヌバスティ」が組み込まれていたのです。


数日間にわたってこの施術を受けるうちに、

徐々に膝の痛みがやわらぎ、気づけばすっかり痛みも消えていました。

その後は、再びトレッキングも楽しめるまでに回復。


まさに、今の私にぴったりの治療法だったと実感しています。




すべてのトリートメントは、左右同時に2人のセラピストによって丁寧に行われます。

手慣れたリズムと穏やかな手つきは、施術そのものが一種の瞑想のような心地よさがあり、

その感覚もアーユルヴェーダの魅力のひとつだと改めて感じました。




Day1〜Day5:前処置期間の「食事」


パンチャカルマの準備期間中では、トリートメントだけでなく、「食事」もとても重要な要素のひとつとされています。


この時期は、消化に負担をかけない食事が基本。

特にギーを摂取する日には、食事制限も加わります。


私の場合、夜の食事はチャパティ(全粒粉のパン)から、より軽くて消化の良いドーサ(米粉のパン)へと変更してもらいました。



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写真はその一例。

日替わりで添えられる温かいスープ、チャツニ、季節の野菜のおかずは、どれも一切辛味もないシンプルながらも滋養に満ちた献立です。


この期間は、胃腸をいたわりながら、静かに、少しずつ「内側」を整えていくための時間でもあります。


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前半は、モンスーン中とは思えない晴天が続きました。

例年であれば、しっとりとした雨に包まれるこの季節ですが、

今年は驚くほどに晴れ間が多く、どこか清々しく澄んだ空気が流れていました。



前処置の期間は、トリートメントや食事だけでなく、普段の生活の中で知らず知らずのうちに溜め込んでしまった “不要なもの” を手放すための大切な準備期間でもあります。


呼吸が深まり、体が軽くなり、心が静かになっていく──

このプロセスそのものが、パンチャカルマの本質的な時間なのだと実感しています。



次回予告


心身の準備が整い、いよいよパンチャカルマ本番の治療段階へと入っていきます。

そしてDay7からは、日本およびインド国内からのリトリート参加者の皆さんも現地に合流予定です!


本格的な浄化のプロセスと、新たな出会いの始まり。

 
 
 

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